2013年4月7日日曜日

稲船敬二氏は,今何を考え,何を目指し,どこへ向かっていくのか離脱から5か月。氏の現在の活動を聞いて

本記事は,2011年2月9日にインタビューが行われ,当初,2011年3月12日に掲載される予定だったものです。諸般の事情で掲載はいったん見送られ,今回ようやく陽の目を見ることになりました。ところどころ,現状に即していない箇所もあるかもしれませんが,そのまま掲載させていただきますこと,ご了承ください。  「」という衝撃の一言から始まった,稲船敬二氏へのロングインタビューから,ドラクエ10 RMT,およそ3か月ほどが経ち,その興奮も一段落した2011年の年明けのこと,ro rmt。再び氏にコンタクトを取ってみた。  口でこそああ言ってはいたものの,25年間も走り通した開発者であれば,きっとゆっくり休んで羽を伸ばし,鋭気を蓄え,次なる策をゆっくりと考えながら,自分の行く末と業界の行く末を見据えているのではなかろうか。であれば,それを聞かせてもらうのは,誰にとってもきっと楽しい話になりそうだ。そう思ったからだ。  しかしまたもや裏切られた。  カプコンを去ったあと,氏は3日と休まず次なるプランに向けて動き出しており,筆者がコンタクトを取ったときにはすでに,新会社を設立し,まさに助走を始めようかというタイミングだったのだ。前回のインタビューで話題に出たように,まさにマグロである。泳ぎ続けていないと,きっとこの人は,本当に退屈でどうかなってしまうに違いない。  それで慌てて出したオファーによるインタビューの顛末をまとめたものが本稿である。本当は新会社のことを根掘り葉掘り聞こうと思ったのだが,いざフタを開けてみたら,例によって竹を割ったような,あっちへこっちへと跳び回る,心地良い稲船節が炸裂した。  さすがに前回のような過激な内容こそ影を潜めたが,そのぶん,束縛から外れ,自分のやりたいことを自分のやりたい方法でやっている氏は,以前会ったときより遙かに前向きで明るく,自信に満ちて饒舌で,前に立ちふさがるであろう数々の困難も,心地良く迎え入れる準備ができているようにさえ見えた。  「僕は女性じゃないので」去り際に稲船氏は唐突に言った。「本当はどうなのか知るすべもないんですが,子供を産むというのは,途方もなく大変な,そしてツラく,責任のある作業だと思うんです」「そうですね,確かに」「それでも女性って,また子供が欲しくなるじゃないですか。あんなにツラくて大変なのに。その理由はよく分かりますし,僕が仕事をするスタンスは,それに似てるんじゃないかと自分では思うんです」  25年にわたって在籍した,クリエイターにとっては我が子同然の「作品」を生み出せる,巨大空母のような恵まれた環境を捨てた氏は,会社を去ってからわずかな時間で,心から信頼できる仲間を集め,動くためのお金を集め,そして会社を立ち上げ,小さな漁船に乗って再び動き出した
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